1. 能力の開発・定着に大切なスキルボックスとチェックリスト化

スキルアップ

能力の開発・定着に大切なスキルボックスとチェックリスト化

スキルティ 広報部

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2022.12.20(Tue)

能力開発の設計において大切なことは、「どんな能力をどうやって開発すべきか」という
こと。能力を伸ばしていくには、どんな能力を伸ばしていくのかを列挙し絞り込み、そし
てその能力を常に意識して実践することが必要となります。

その一方で、能力を構成するサブ能力という「部分」を向上させることも大事です。そも
そも私たちの能力は、個別具体的な実践を意識的に取り組むことでしか向上しないという
特徴を持っています。

つまり、サブ能力が向上していく過程の中で能力が組み合わさって発揮されるようにな
り、その後、全体としての能力が高まる現象が見られるのです。
この内容を基軸に捉えた能力開発の設計方法について解説していきます。

どんな能力を開発すべきか?

どんな能力を対象にするかについては、各企業が求める理想の人材像から導き出す方法も
あると思いますが、これでは業界特化に傾倒してしまう可能性が高くなります。ここで
は、網羅的にビジネスパーソンに必要となる能力=ポータルスキルに着目しながら大きく3
つに分類しました。


1. 特殊能力(特有の業界や職種でしか通用しないスキル)
・専門スキル:ITリテラシー・開発力、インフラスキル・キャリア設計
・社内スキル:情報セキュリティ・自社理解/MVVの浸透、パーパス・環境理解


2. 社会人基礎力(どの企業でも通用する一般的なスキル)
・前に踏み出す力(アクション):主体性・働きかけ力・実行力
・考え抜く力(シンキング):課題発見力・計画力・創造力
・チームで働く力(チームワーク):発信力・状況把握力・情報力・規律性・柔軟性・
ストレスコントロール力


3. マネジメント力(役職者やポジションに応じて求められるスキル)
・リーダースキル(組織マネジメント):影響力・チームビルディング・指導力・心
理的安全性・PDCAマネジメント・ファシリテーション力 
・リーダースキル(プロジェクトマネジメント):リスクマネジメント・チームの立ち
上げ・プランニング・管理能力・トラブル対応力・ステークホルダーマネジメン

従業員エンゲージメントを仕組み化する スキルマネジメント:中塚敏明著

これらの分類方法は、Googleなどの大手企業の求める人物像(T型人材)に必要な能力に
近いです。個人やチームで生産性を高めるためには、特殊スキルや技術スキルに偏ること
なく幅広く能力を開発していくことが大変重要なポイントです。

どうやって開発・定着すべきか?
それでは、これらの能力はどうやって開発、定着するべきなのでしょうか。

具体的な例として、「2. 社会人基礎力」の中の実行力と規律性の能力をピックアップし、
その集合体を「スキルマップ」と定義しました。そして、それらの能力に5つのサブ能力を
特定して、習得の判定を明確化できるようチェックリスト化しました。下記のスキルボッ
クスを参考にしてみてください。

●実行力スキルボックス

①仕事の目標を明確にしている(納期・目的・完成イメージ)
②目標を分解してタスクリストの一覧にしている
③ToDo リストの作成と更新をしている
④タスクやToDo の優先順位付けができている
⑤実績時間の見解と記録との差異を分析している


●規律性スキルボックス

①社会人ルールの第一歩として清楚感のある身だしなみを行っている
②時間は1分でも遅刻だと理解し、5分前行動を心がけている
③時間や締め切りに間に合わない場合、事前に連絡をしている
④約束した予定は必ず守っている
⑤組織のルールや指揮命令系統を理解して行動している

規律性については新人向けの内容となっていますが、ルールを明確に守ることがチームで
働くうえでのスキルであると定義しているため非常に浸透しやすいでしょう。これらの
チェックリストを作成することで些細なトラブルが減り、また、チェックリストを元に指
摘ができるので上司の心理的負担も少なくなります。

キャリアマップ(デザイン)スキルボックスを時系列に配置設計
このスキルボックスには自社固有の能力を登録することが可能ですが、そうなると非常に
多種多様な能力となるため一度に習得することは難しくなります。そのため、習得する能
力の特定が必要になるのです。

具体的な方法としては、入社3年後の人材像をイメージして在籍年数に応じてスキルボック
を数個ずつ順次配置できるような設計とします。

例えば新人向けに

1年目は「基礎」のスキルボックス
2年目は「応用系」のスキルボックス
3年目以降は「マネジメントや専門系」のスキルボックスが選択可能になり、

このチェックリストを順次クリアして3年後のキャリアで
必要となる能力を獲得することになるのです。

また、スキルボックス化により容易にカスタマイズできるようになるため、組織マネジメ
ント系、プロジェクトマネジメント系、技術系中心、あるいは将来のキャリアが選択でき
るキャリアビジョン設計も可能です。
社員にとっては将来のキャリアビジョンとそのために獲得すべき能力や進捗状況が可視化
されるので、将来に対して非常に安心感が持てるようになります。

週報に能力チェックリストを反映させる
能力を定着させるためには絶えず意識して運用することが重要です。人事評価制度におい
ては、忘却のメカニズムの観点から能力の定着が難しいとされていましたが、このチェッ
クリストを週報として扱うことで無理なく運営することが可能です。

現場で能力習得を意識して実行できたかどうかをチェックし、意識できなかった場合の反
省や次週への改善行動はどうすべきかなどを振り返ります。

一般的な週報は「現場の日
記」のような位置づけですが、ここでの週報は「自己の成長のためのリスト」になります。
毎週のチェックでスキルの定着化と成長を実感する
この週報を毎週実行することでチェックリストをこなせるようになるため、確実に成長す
ることが可能です。

また、チェックリストの達成の割合や出来高を確認することで成長実
感を持つことができ、本人のモチベーションへと繋がります。
これはセルフでマネジメントを可能にする仕組みとも言えるでしょう。

事細かに上司が指
示するマイクロマネジメントに陥らず、上司がひとつひとつ仕事の進め方やルールなどを
指導する負担が激減します。また、この達成度を人事評価制度に反映させることにより、
能力評価が容易に実現できるようになるでしょう。

さらにe-Learningと連携することでチェックリストの不明点の解消、理解を深めることも
可能です。教える手間も激減するため、上司の指導力によるムラもなくなります。

スキルマネジメント】能力開発の新たなマネジメント(管理と最適化)

以上の仕組みを用いることで、セルフマネジメントと人事評価制度への自動反映、事細か
に教育する必要がなくなりマネージャーの負担が激減します。

また、課題であったマネジメントを容易にするため
成長を加速させる能力開発のマネジメントが、可能になると言えるでしょう。

  • スキルマネジメントで組織の成長を最大化する

    組織の成長を最大化するためには、社員の育成環境を整えることが重要です。スキルの見える化と習慣化こそ、成長を最大化するセンターピンだと考えています。スキルマップで社員の生産性を最大化します。