働き方改革
個人・組織におけるアンラーンの必要性とは?
常に新しい情報がアップデートされていく、現代。
無意識に「古いデータ」の地図をもとに、目的地に向かっていませんか?
あなたの地図。最新のマップとは、もう道が違うかもしれませんよ。
かつては近道だった筈のトンネルも、今は工事中かも
かつては抜け道だった筈の、団地の路地も
今はもう存在しないかも……しれません。
アンラーンとは「かつて信じた、古い地図をデリートする作業」
新しい未来への目的地へは、データごと消去して、アップデートする必要があるかもしれませんよね。
時代に合わせてインプットするために、昔あったはずの道
昔あったはずの記憶は、アンラーン「消去する作業」がいるのかも。
自分の脳内ハードディスク、いっぱいになっていませんか?
容量がパンパンで、新しいデータが書き込めない!
そんなHDの状態では、動きもカクカクして、遅くなりそうですよね。
脳内HDの空き容量を増やすためにも、自分でアンラーンしていきましょう。
今回は「個人・組織におけるアンラーンの必要性とは?」の、特集です!
組織のアンラーン戦略
勝ちグセのある人と、組織を作っていますか?
個人だけでなく、今は「組織をアンラーンする事」が重要視されています。
コロナ渦で、人とのコミュニケーション方法も変わり、組織の作り方も大きく改変されつつありますよね。古くて、もう使えなくなった組織の考え方を、アンラーンすること。
それにより古いデータは消去され、組織のハードディスクも空き容量が多くなります。
新しい戦略をダウンロードして、学び直さなければ、これからの時代を戦っていくのは
たいへん困難な事かもしれません。
また、アンラーンするときに「捨てるべき武器」と
「自分の強みとなる、捨ててはいけない武器」とを
選び直したほうがいいかも?
自分の強みまで捨ててしまっては、新しい戦場でも戦えないからです。
あなたの強み。組織の魅力や、他社にはない「ブランディング」って何でしょうか?
今、戦略としてアンラーンするべき武器と
今後も使っていく武器を、見極める必要がありそうですね。
過去に成功した人ほどアンラーンが必要
今、当たり前になっている事を、見直す必要はないでしょうか?
アンラーンは、学んできた事の否定ではなくて、インプットするための
学びの消去。
ところが、過去に大きな成功をおさめた人ほど「アンラーンしにくい」のだそうです。
これは、どうしてかというと、過去に大きな成功体験がある人は
・自分のやり方に自信がある
・成功したプライドがある
・やり方を変えたくない
・前時代のやり方に固執したい
こういった理由から、自分を変えられない人が多いんだそうです。
時代においていかれても、「前のやり方がいい!」のだと。
そういうタイプは、生きるのが大変でしょうね。
実は私。このタイプの人に、出逢った事があります。
その仕事の分野、そのものが「滅亡した」瞬間までを、この瞳で見ました。
アンラーンせずに滅亡した仕事
その昔、広告代理店でデザインをしていた頃のこと
Macがまだ、この世に存在しなかった時代の話です。
「写植屋(しゃしょくや)」という仕事が、あの時代にはありました。
この仕事は、分野そのものが滅亡しました。
実話です。
Macが現れたことによって、消えた仕事のお話です。
今から30年ほど前、写植屋さんという「デザイナーに指定された文字だけをタイピングして、プリントし、文字を渡す仕事」がありました。それはもう当時、大ブレイクしていた商売でした。あの頃、バブルの終わり頃。
チラシやポスターのデザインは、毎日毎日モリモリに依頼がありました。
Macが生まれる前は、チラシをデザインするのに、枠線をペンで描いていたのです。
ケント紙という白い紙に、写真を、カッターで切り貼り
文字は「写植屋さん」で、ひと文字ひと文字、タイピングしてもらいました。
それをコラージュのように、写真と文字をバランスよくカットし、ケント紙にピンセットで貼っていったのです。完成して印刷屋に持参すると、次の日にはキレイ〜に新聞に掲載されていました。
手堅い職種だった写植屋さん
新聞の折り込み広告も、全てがその作り方でした
写植屋さんに、文字を打ってもらってデザインするのは「当時のテンプレ」だったのです。
広告業界は景気に左右されるので、写植屋さんは当時けっこう儲かっていた記憶がありました。
印刷屋の下請けの仕事ですから、手堅い職種だったでしょう。
それが、Macの登場によって
4、5年のうちに消えました。
あの数年の時代の変化は、コロナよりも急速だったと記憶しています。
消えた写植屋さん
マックが登場した時の、鮮烈なデビューを覚えています。
私はその頃、雑誌の紙面デザインをしていました。
イラストレーターとフォトショップの先生が会社に来て、わかりやすく使い方を教えてくれたので、私はすぐにサクサク使えるようになりました。あっという間でした。
数日ののち、私は自分の手で文字をタイピングして、Macの画面上で写真を加工しました。
Mac一台だけで、デザインが完成する時代が到来したのです
これは、衝撃的でした!
気がつくと、会社の誰も写植屋さんに行かなくなっていました。
少し心配になって、写植屋さんに用事があった時
「Macが登場したから、写植屋さんは大丈夫でしょうか?」
と、聞いてみた事があります。
写植屋さんは、笑って「大丈夫です」と答えてくれました。
でも数年後、ほとんどの写植屋さんが、この世から消えていたんですよ。
あの時「どうしようもない、時代の流れってあるんだ……」
と鮮烈に刻まれたことを、覚えています。
アンラーン
これが、人生にとって「アンラーンが必要となる瞬間」でした。
アンラーンを選んだ私
私は、写植屋さんには申し訳ないのですが
「写植を使う」という、スキルをアンラーンして
「Macでデザインする」という、スキルを学びました。
今でも、時代の流れだけは過度なほど、先に読み込もうと思っています。
人生には、アンラーンが必要となる瞬間が、巡ってきますよ。
「おかしいな」と違和感を感じたら、アンラーンの瞬間かもしれません。
その瞬間、滅亡しない方をしっかりと! 選択して下さいね。
【ビジネス編】アンラーン必要度、7つのチェックリスト
「ビジネスにおいて、アンラーンが必要かどうか?」の、チェックリストです。
1つでもあてはまる項目があれば、要注意。
アンラーンが必要だと考えてください。
1.自己紹介が苦手。会社名や肩書を上手く名乗れない。
2.スマホのアドレス帳は、半分以上が仕事関係者。
3.「うちの会社では……」が、口グセ。
4.あまり人と会わない。1ヶ月の間で、仕事以外の人と会う人数は、3人以下。
5.「仕事が忙しい」を言い訳にして、挑戦することが減った。
6.「今日は仕事に行きたくないな」と、思ったりする。
7.「昔はこうだった」、「こういう時はこうするべき」といった、前例をよく持ち出す。
【生活編】アンラーン必要度、6つのチェックリスト
「日常の生活において、アンラーンが必要かどうか?」の、チェックエリストです。
1つでもあてはまる項目があれば、日常を見直す必要があるかもしれません。
1.「疲れた」といった、やる気がないネガティブ発言をする。
2.最近、そういえばワクワクする事が減った。
3.周りの人との会話が、日々同じような話題ばかり。
4.仕事とは別分野の「趣味や学び」を、していない。
5.「そんな事、当たり前だから」といった風に、驚きや、ときめきが減った。
6.大きな成果を出した人は、「自分とは別世界の人だから」と、考えてしまう。
いかがでしたでしょうか?
一つでも思い当たるフシがある方は
アンラーンするタイミングが、到来したのかもしれませんよね。
特にこのコロナ渦を経て、リモートで出勤しなくなった方
外出が減った方や、友人と遊びに行かなくなった方は
一般で「今」流通している考え方や、トレンドに、ついて行けていない可能性がありますよね。
誰しも若い時。初めてのナニカに触れた時は、キラキラした想い出や、ワクワク感があるはずなので。年を重ねても、ワクワク感を忘れない人は「記憶力が、錆びない」と言います。
過去のインプットを捨てるという戦略
日々いろんな人と出会い、刺激を受けて
新しい事に挑戦していく人は、ココロも枯れません。
インプットだけではなくて、時代において必要のなくなった「過去のインプット」を捨ててみませんか?
空いた容量で、新たなスキルを会得したいですね
新しい時代の呼吸、吸っていきましょう!
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